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「SEOに強いのはWordPressじゃないの?」静的サイトの表示速度とGoogle評価の真実

「CMSを使わないと、SEOに不利なんじゃないですか?」
これは、私たちに最も多く寄せられる質問の一つです。

確かに「WordPressはSEOに強い」という印象が広まっています。プラグインでメタタグを簡単に設定できる、サイトマップを自動生成できる……。これらは事実ですが、SEOの根本である「表示速度」という観点で見れば、状況は逆転します。

結論から申し上げます

静的サイトの方が、通常のWordPressサイトより高速に、Googleに評価されやすい構造となります。

Googleは2021年から「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」を検索ランキングの信号として正式に採用しました。つまり、「表示速度」はもはや「ユーザビリティ」の問題ではなく、「検索順位に直結するSEOの重要指標」なのです。

データで見る速度の差

一般的なコーポレートサイト(トップページ、会社概要、サービス、Contactの4ページ構成)を比較した場合の、Core Web Vitals主要3指標の違いは以下の通りです。

Core Web Vitals主要3指標の比較
図1:Core Web Vitals主要3指標の比較(Google推奨値を100とした相対スコア)
出典:PageSpeed Insights Reports 2025, Web Almanac 2024を基に作成

LCP(最大コンテンツフルペイント):2.8秒 vs 0.8秒

LCPは「ページの主要コンテンツが表示されるまでの時間」を示します。Googleの推奨値は2.5秒以内ですが、WordPressは膨大なプラグインやデータベースクエリの影響で平均2.8秒。一方、静的サイトは0.8秒と、推奨値を大幅に下回る超高速を実現します。

FID(ファーストインプット遅延):120ms vs 15ms

FIDは「ユーザーが最初にクリックしてから反応が始まるまでの遅延時間」です。JavaScriptの処理が多いWordPressは120msかかる一方、静的サイトは15msと即座に反応します。

CLS(累積レイアウトシフト):0.15 vs 0.02

CLSは「ページ読み込み中の表示崩れの度合い」を数値化したもの。WordPressの場合、広告プラグインやフォント読み込みでレイアウトが変動しやすく0.15。静的サイトは0.02と、ほぼ見た目通りに表示されます。

なぜここまで差がつくのか

速度差の根源は「サーバー処理の有無」にあります。

  • WordPress(動的サイト): ユーザーがアクセスするたびに、サーバーがPHPを実行→データベースに問い合わせ→HTMLを生成→送信。プラグインが多ければ、その分処理が重なります。
  • 静的サイト: あらかじめ完成したHTMLファイルをそのまま送信するだけ。データベースへの問い合わせも、PHPの実行もありません。

この差は、回線速度が速い環境では目立ちませんが、モバイル回線や混雑したWi-Fi環境では決定的になります。Googleの検索ボットも、遅いサイトを「ユーザー体験が悪い」と判断し、評価を下げる傾向にあります。

「だけどWordPressのSEOプラグインは便利じゃないの?」

はい、Yoast SEO等のプラグインは確かに便利です。しかし、これらの機能は「HTMLのメタタグを自動生成する」だけのものです。

静的サイトでも、同じメタタグを手動、またはビルド時に自動生成すれば、同様のSEO効果が得られます。重要なのは「プラグインの有無」ではなく、「検索エンジンが読みやすい構造であるか」です。

実際の検索順位への影響

Core Web Vitalsのスコアが「良い(Good)」サイトは、「要改善(Needs Improvement)」のサイトに比べ、検索順位が平均して数ポイント上位に表示される傾向があります(Google公式発表)。

特にモバイル検索では、この速度差が大きな影響を及ぼします。同一キーワードで競合する場合、表示速度が0.1秒速いだけで、クリック率が8%向上するという研究結果もあります。

「でもブログ記事を増やすと遅くならない?」

WordPressでは、記事数が増えるとデータベースが肥大化し、検索クエリの処理に時間がかかるようになります。しかし、静的サイトの場合、記事数が増えても「各ページは独立したHTMLファイル」として存在するため、表示速度は一定を保ちます。

むしろ、静的サイト+Headless CMSの構成では、ブログ記事1000件あっても、個別ページの表示速度は初稿と同じ0.8秒台を維持できます。

結論:SEOの本質は「速さ」にある

「WordPressだからSEOに強い」というのは、もはや神話です。Pluginでメタタグを設定できる便利さは、表示速度の遅さによって帳消しになってしまうのが現状です。

Googleが最も重視するのは「ユーザー体験」であり、その核心は「表示速度」です。余計な処理を省いた静的サイトは、SEOの観点から見ても、WordPressより優れた選択肢となり得るのです。

SEO対策で悩んでいるなら、まずはあなたのWordPressサイトの表示速度を測定してみてください。そして、「もっと速くなる方法はないか」という視点で、静的サイトという選択肢を検討してみてほしいのです。